子どもが歯医者を嫌いになる理由
歯医者が嫌いな子どもって多いですよね。
私も大嫌いでしたし、今でも歯科衛生士だってのに患者として行く歯医者はあまり好きではありません。
では、そもそも何で歯医者を嫌いになってしまうんでしょう?
まずは原因から考えていきましょう。
第一印象が悪かったから
どうしても何も、歯医者ってだいたいみんな嫌いなもんじゃない?
確かに、
「何となくイヤ」
で歯医者を嫌いになってそのままの場合もあります。
しかし、そうではない場合もあります。
『嫌い』になるには何かしらの理由があることが多いです。
ピーマンが苦手なのだって食べたら苦かったからだし、
注射が怖いのだって刺されて痛かった経験があるからです。
そう、だいたいの好き嫌いは第一印象で決まると思います。
人でも物でも出来事でも、最初の印象が「それ」の印象になります。
皆さん初めて歯医者に行ったのはなぜだったか覚えていますか?
大半の方はむし歯を治すためでしょう。
歯が痛くなって、歯医者へ行く。
鼻につくにおい、頭に響く嫌な機械音、ものものしい銀色の道具。
それに痛い。
第一印象最悪です。
2度と行きたくなんてないです。
大人は
「これが嫌だけどこれさえ耐えればいいから、やらなくてはいけないから」
と考えられるのである程度は我慢ができます。
しかし小さい子どもはどうでしょうか。
よくわからないけど嫌なところ。痛いことすることろ。とりあえずイヤ。イヤ!
こうして
「歯医者嫌い」
が完成するのです。
歯医者を嫌いにならないためは?
定期検診に行く
じゃあ、むし歯にならなければいいのかってそういう話ではありません。
ならないに越したことはないけれど、なる時はなります。
ここではむし歯予防の話は一旦置いておいて、
歯医者を嫌いにならないためにはどうすればいいのか。
前章で、『第一印象が悪かったから歯医者を嫌いになる』と言いました。
つまり、第一印象を悪くしないようにすることです。
具体的にいうと、
初めての歯医者で、いきなりむし歯を治さなければいけないという状況を作らないことです。
そのためには、定期検診に行ってください。
まだ赤ちゃんだっていいんです。
むし歯になる前に、
歯が痛くなる前に、
定期検診に行ってください。
『 最初の歯医者→治療のため 』という状況を作らない!
検診でも泣いちゃう子どもがいるけど、もうそうなったら仕方ない!
歯科衛生士よどうにかしてくれ!
歯が生えてきたら歯医者さんデビュー
むし歯になる前に行けと言われても、いつから行けばいいの…?
乳歯が生えたら来てOK!歯医者に慣れるという意味でも大切!
今もうすでに乳歯が生えそろっている場合は、
いつでも大丈夫です(後回しにしていいという意味ではないです)。
では、まだ歯が生えていないうちは?
1歳あたりになると、前歯がだいたい生えそろってきます(上下4本ずつくらい)。
そしたら歯医者さんデビューのタイミングです。
思ったより早いと思いましたか?
歯医者の目的は、『治す』だけではなくて『予防』もあります。
むしろ諸外国では予防歯科の考え方の方がスタンダードだったりするところもあります。
歯医者に行って、生えたての乳歯の磨き方などを指導してもらってください。
そして、この早い段階から歯医者に行った方がいい大きな理由の一つに、
『歯医者に慣れること』
もあります。
「歯医者は怖いところじゃないんだよ」
ってわかってもらいます。
そして、他人に口を触られることにも慣れてもらいます。
なので、おうちでもまだ歯がが生えていないうちから、
ガーゼなどで歯ぐきを拭ったりするのも有功的です。
赤ちゃんのうちから定期検診に行って、歯医者に慣れさせること!
どんな歯医者に行けばいい?
ここに悩む方も多いでしょう。
これから通うわけですから、変なところには行きたくないですよね。
今はEPARKという歯医者の食べログ的なサイトもあります。
そういうサイトを利用して、
通いやすい範囲にある評価の高い小児歯科を見つけるのがいいでしょう。
公式HPを見ることも忘れずに。
託児ができたり、
子どもが楽しく歯医者に通えるようなプログラムを用意してくれているところもあります。
また、治療ができるようになるまで器具に慣れる練習を重ねたり、
頑張ったらご褒美がもらえるというところなら子どもの歯医者嫌いも防げます。
私の勤務している医院では、
治療後はガチャガチャをして、その中身次第でおもちゃなどがもらえるようにしています。
はじめは歯医者を嫌がっていたお子さんでも、
段々と嫌がらずに治療をさせてくれるようになっている例もあります。
体感として、『子どもが歯医者を嫌いにならないように』と工夫している医院は増えているように感じますね。
『 子どものための特別な何か 』を用意している歯医者がベター!
学校検診があっても定期検診は継続!
小学校になると学校で歯科検診が始まります。
そしたらもう行かなくていいのかというと、そんなことはありません。
できれば歯医者に行くのはやめないようにしてください。
学校検診は全員が一定の検査を受けられるため、
大勢を対象にある程度同じ基準で問題を抽出できるメリットがあります。
半強制的に受けさせられるので、
『親が病院に連れて行ってくれない』
という問題がある生徒をすくいあげることもできます。
しかしその一方で、一度に大勢を診なくてはいけないため、見落としの可能性が上がります。
実際に私は小学生の頃に、
検診では問題なしだったにも関わらずその後歯が痛くなり、
進行したむし歯が発見されたことがありました。
そして、学校検診だとその場では治せません。
「治してきてくださいね」
って紙をもらって終わりです。
ならいっそはじめから歯医者に行って先にむし歯を治してもらえれば二度手間にならずに済みますし、
検診の時にクリーニングやフッ素塗布も一緒にしてもらえたりします。
その場で相談だってできます。
そして、歯医者に行く習慣が一度途絶えると、また復活させるのは難しいです。
親子で連続して定期検診の予約をとって来院される方も多いですね。
一気に済ませられて楽です。
定期検診は通い続けてね!
歯医者嫌いの私からひとこと
私は歯医者にトラウマがあるせいでかなり苦労をしました。
そして永久歯は生え変わってくれないので今後もそれは続いていくことでしょう。
むし歯は一度治したら終わりではありません。
そのあともずっとむし歯再発のリスクを抱えていくことになります。
親を責めるつもりはありません。
どうすればいいのか知らなかったのですから仕方がないです。
でも今この記事を読んでくださっている方は、
お子さんがそういう思いをする未来を避けられる可能性があります。
歯医者に慣れる練習からとなると、
回数がかかって面倒、大変だと思うかもしれません。
ですが歯は一生ものです。
乳歯は生えかわっても、
永久歯も、小さい頃にできた「歯医者嫌い」という気持ちも、生えかわることはありません。
お子さんが歯で苦労しない未来のために、今から種を撒いてみてください。